残置物撤去は、不要品や荷物が放置された空間をきれいにするための作業です。一軒家、マンションなどの住居の他にも、土地などさまざまな場所で作業が発生することもあります。
「相場を調べても、結局自分のケースがいくらになるのか分からない」——この記事にたどり着いた方の多くが、そう感じているのではないでしょうか。
実は、残置物撤去の相場が広い幅で語られるのには理由があります。同じ「1R」でも、賃貸の退去なのか、相続した実家なのか、あるいは特殊清掃を伴うケースなのかによって、金額も業者選びの基準もまったく変わるからです。
この記事では、2008年から17年間、2,000件超の現場に立ち会ってきた実務者の視点から、単なる相場表ではなく「自分の状況に当てはめて判断できる」情報をお届けします。

IICRC認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)資格保有
創業11年・業歴17年・2,000件以上の施工実績
作業実績ページにて現場ごとの料金を公開(明朗会計)
不動産管理会社・家主様からの継続依頼多数
1. まず自分がどのケースに当てはまるか確認する
「残置物撤去」と一口に言っても、実際に依頼が発生する背景は大きく3つに分かれます。まずはご自身がどれに近いかを確認してください。相場のブレの大部分は、実はここに起因しています。
- 賃貸物件の退去:原状回復義務との兼ね合いがあり、誰が費用を負担するかが契約内容によって変わります
- 相続した実家・空き家の片付け:仏壇や思い出の品が含まれることが多く、供養や形見分けのプロセスが必要になります
- 孤独死・事故物件など特殊清掃が絡むケース:通常の残置物撤去に加え、消臭・除菌などの専門技術が必要で、費用も対応業者もまったく異なります
この記事の相場は、まずこの3区分を軸に整理しています。
2. 残置物撤去の費用相場(状況別)
賃貸物件・通常の残置物撤去の場合
| 残置物の量 | 参考間取り | 費用の目安(税別) |
|---|---|---|
| 2m³〜10m³ | 1R | 35,000円〜150,000円 |
| 2m³〜12m³ | 1DK | 35,000円〜200,000円 |
| 3m³〜20m³ | 1LDK・2DK | 50,000円〜300,000円 |
| 5m³〜35m³ | 2LDK・3DK | 80,000円〜500,000円 |
| 8m³〜50m³ | 3LDK・4DK | 120,000円〜700,000円 |
| 10m³〜70m³ | 4LDK・5DK | 150,000円〜950,000円 |
一軒家では広い敷地や建物内に多くの残置物があることが多いため、費用が高くなる傾向があります。庭や外構の撤去も含まれる場合は、さらに費用が上がることがあります。
マンションでは、一軒家に比べて敷地面積が狭く、残置物の量も少ないため費用は抑えられることが多いです。ただし、エレベーターや共用部を利用する際の制約や、駐車場の確保が難しい場合は費用が高くなることがあります。
相続・空き家の片付けの場合
相続した実家では、生活用品に加えて仏壇・位牌・アルバム・故人の私物など、単なる不用品として扱えないものが多く含まれます。これらの仕分けや供養の対応が加わる分、通常の残置物撤去より工数がかかり、費用にも数万円〜十数万円程度の差が出ることがあります。
特殊清掃が絡む場合
孤独死や長期間の放置、事故物件など、異臭や汚染を伴うケースでは、残置物撤去費用に加えて特殊清掃・消臭・除菌の費用が別途必要になります。目安として、通常の残置物撤去費用に対して数万円〜数十万円が上乗せされるケースが多く、部屋の状態によってはこれ以上になることもあります。この場合は一般の不用品回収業者では対応できないため、特殊清掃の技術と経験を持つ業者選びが特に重要になります。
※上記はあくまで目安であり、実際の費用は見積もりを取ることで確定します。業者によっても費用が異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
3. 費用相場の実例
相場表だけではイメージが湧きにくいという声を多くいただくため、実際の対応事例をもとにご紹介します。
- 事例A(1DK・賃貸退去):家具・家電中心、分別済みの状態で搬出のみ/作業時間2時間・作業員3名/最終金額88,000円(当初見積もりと同額)
- 事例B(2LDK・相続空き家):仏壇・アルバム等の思い出の品を含む/仕分けと形見分けの立ち会いに4時間/最終金額220,000円
- 事例C(1K・特殊清掃併用):孤独死後の対応、消臭・除菌作業を含む/通常撤去費用に対し330,000円の上乗せ
このように、同じ間取りでも「荷物の状態」「思い出の品の有無」「特殊清掃の要否」によって、最終的な金額と作業内容は大きく変わります。見積もりの際は、金額だけでなく「なぜその金額になるのか」の内訳まで確認することが、納得のいく依頼につながります。
4. 特殊清掃が絡む場合、なぜ費用が跳ね上がるのか
特殊清掃が必要なケースで費用が高くなるのには、明確な理由があります。
- 消臭・除菌に専門機材と薬剤が必要:一般的な清掃用品では対応できない臭気や汚染を、専門技術で処理します
- 作業員の安全確保のための装備が必要:感染症対策や有害物質への対応など、通常の片付けにはない準備が必要です
- 原状回復レベルの補修が伴うことがある:床材や壁紙の交換が必要になるケースもあります
こうした背景を知らずに「相場より高い」と感じてしまうと、必要な作業を省いた安価な業者を選んでしまい、後々トラブルになることがあります。特殊清掃が絡む可能性がある場合は、この分野の資格(IICRC認定など)や実績を持つ業者かどうかを、見積もり段階で確認することをおすすめします。
5. 費用を決める4つのポイント
残置物撤去の費用は、いくつかのポイントによって決まります。以下に、費用を決める主なポイントを挙げます。
撤去物の種類と量
残置物量が多ければ多いほど、撤去にかかる費用も高くなります。また、残置物によっても費用は変動し、家具や家電製品などの大型のものや、重量物は高くなりがちです。
また、危険物や特殊な処理が必要なものがある場合、大幅に費用が高くなるケースもあります。
玄関からトラックまでの距離
搬出口となる玄関からトラックまでの距離が長い場合、運搬に人員が必要なため、費用が高くなることがあります。特にマンションやアパートの場合、エレベーターや階段の利用状況によっても費用が変動します。
人件費
残置物の量とは別に、作業に必要な人数分の人件費も発生します。撤去する残置物が多ければ、それだけ分別作業に人員が必要になり、前述のとおり玄関からトラックまでの距離が伸びると、やはり人件費が多くかかります。
人員の計算は業者によって異なるケースもあるため、事前の見積もりが重要となります。
アクセスと立地
立地やアクセスが悪く、近くに残置物撤去に対応した業者がいない場合、遠方から業者が来る必要があるため、交通費や時間がかかり、費用が高くなることがあります。別途費用が発生していない場合でも、全体の料金に上乗せされているケースもあります。
6. 費用を抑える方法
残置物撤去の費用を抑えるためには、いくつかの方法があります。以下に、その方法を詳しく説明します。
自分でできる範囲の作業を行う
軽い家具や家電製品の移動、不用品の分別などは自分で行うことができます。これにより、業者に依頼する作業量が減り、費用を抑えることができます。
ただし、家全体の荷物を自分で撤去するのは相当な時間と体力が必要です。無理をせず、必要に応じて家族や知人、または一部だけ業者に頼むのも選択肢のひとつです。
自治体の粗大ごみ回収やリサイクル家電の引き取りルールは地域によって異なるため、お住まいの自治体のホームページで事前に確認しておくとスムーズです。
不用品を買取業者に売却する
残置物の中には、まだ価値があるものもあるでしょう。そういったものは買取業者に売却することで、撤去費用を相殺することができます。また、買取業者によっては、撤去作業も行ってくれることがありますので、一石二鳥の効果が期待できます。
複数の業者に見積もりを依頼する(相見積もり)
残置物撤去の費用を抑えるために最も有効な方法は、複数の業者に見積もり依頼をすることです(相見積もり)。相見積もりを行うことにより、業者間による価格競争が起こり、費用を抑えられる可能性が高まります。
以上の方法を活用することで、残置物撤去の費用を抑えることができます。ただし、安さだけを追求するあまり、品質の低い業者に依頼してしまうと、後でトラブルになることもありますので、注意が必要です。費用と品質のバランスを考慮しながら、適切な業者を選ぶようにしましょう。

7. 失敗しない相見積もりの取り方
「相見積もりを取りましょう」とはよく言われますが、実際にどう依頼すればよいか分からないという声を多くいただきます。以下の手順で進めると、業者間を正確に比較しやすくなります。
- 同じ条件を各社に伝える:部屋の広さ、残置物のおおよその量、思い出の品の有無、特殊清掃の要否など、伝える内容を統一する
- 写真を用意しておく:部屋の状態が伝わる写真を数枚撮影しておくと、電話やLINEでの初期相談がスムーズになり、当日の金額変動も起きにくくなります
- 見積書の内訳を必ず確認する:「一式◯万円」ではなく、作業費・処分費・人件費・車両費などの内訳が明記されているかを確認する
- 現地見積もりを依頼する:特に残置物の量が多い、または特殊清掃の可能性がある場合は、電話だけでなく現地確認を依頼することで、当日の想定外の追加請求を防げます
なお、相続や遺品整理の場面では、業者を何度も自宅に入れること自体が精神的な負担になることもあります。写真を活用した事前のオンライン相談を組み合わせることで、現地に来てもらう回数を最小限に抑えることも可能です。

8. 遺品・思い出の品はどう扱われるのか
残置物の中には、仏壇や位牌、アルバム、故人の私物など、単なる不用品として片付けられないものが含まれることがあります。
こうした品は、他の残置物と分けて仕分けを行い、ご家族が形見として残したいものは事前に取り分け、それ以外については供養(お焚き上げ等)の対応まで含めて依頼できる業者もあります。金額の話だけでなく、「大切なものをどう扱ってもらえるか」も、業者選びの重要な基準にしていただきたいポイントです。
また、立ち会いが難しい場合でも、鍵の預かりや作業前後の写真報告など、非対面での対応が可能な業者もあります。遠方にお住まいで立ち会えない方は、事前に対応可否を確認しておくと安心です。
9. 悪徳業者を見分ける実務チェックリスト
残置物の処理を行う業者は、「一般廃棄物収集運搬許可証」を持っている必要があります。この許可証がないと、適切に処理できる施設に廃棄物を持ち込むことができず、不法投棄につながるおそれがあります。結果として、所有者側が行政指導や処分費用の負担を求められるケースもあります。
見積もりの際は、以下を確認してください。
- 見積もり時に許可証の提示を求め、社名と一致しているか確認する
- 他社と比べて極端に安い見積もりは、無許可営業の可能性を疑う
- 見積書に作業内容・人員・料金の内訳が明記されているか
- 「追加料金は一切発生しない」旨が書面に明記されているか
- 実績数や過去の対応事例がホームページ等で公開されているか
10. 契約・支払いで確認すべきこと
見積もりの内容だけでなく、契約や支払い面でも確認しておきたい点があります。
- 支払いのタイミング:作業前の全額現金前払いを求める業者には注意が必要です
- 契約書面の有無:口頭のみでなく、書面またはメールで内容が残る形で契約する
- 訪問による契約の場合のクーリングオフ:状況によっては特定商取引法上のクーリングオフが適用される場合があります
- 支払い方法の選択肢:現金のみか、振込・クレジットカード等に対応しているか
トラブルを避けるためにも、契約前にこれらの点を確認しておくことをおすすめします。
11. 業者の選び方
残置物撤去を依頼する業者の選び方は、あなたが一般の方なのか、不動産管理会社や大家さんなのかによって変わってきます。
一般の方の場合
一般の方で残置物撤去を業者に依頼する場合、基本的には複数の業者から見積もりを受けて、納得できる費用とサービスの業者へ依頼しましょう。
一般の方の残置物撤去の場合、遺品整理・生前整理・空き家整理・不用品回収などのニーズがほとんどかと思います。費用を抑えたい場合は不用品回収業者、故人の遺品を丁寧に扱ってもらいたい場合は遺品整理業者など、依頼内容にあわせて業者を選定することをおすすめします。
費用については、格安な見積もりを提示してくる業者や、作業後に追加費用を請求してくる業者もいるため、見積もりを1社のみに依頼するのは危険なケースもあります。
不動産管理会社や大家さんの場合
不動産管理会社や大家さんが残置物撤去を依頼する場合、元入居者が残して退去した(死去されて遺族が見つからないなどを含む)ケースや、新しく購入した中古物件に残置物が残っているケースなどが該当するかと思います。
管理会社や大家さんの場合、多くの場合で優先事項は費用面かと思います。初めて残置物撤去を依頼する場合は、管理会社や大家であることを事前に伝え、継続的に依頼する可能性があることを示唆することで値引きしてもらえるケースがあります。
また、2回目以降も継続してその業者に依頼することで、費用面はもちろんのこと、スケジュールなども含めて融通を効いてもらえるケースがあるため、毎回依頼する会社を作っておくメリットは大きいでしょう。
12. 自治体の補助金制度
自治体によっては、空き家対策や住環境改善を目的として、残置物撤去や家財処分にかかる費用の一部を補助しているケースがあります。特に、空き家の解体や売却、利活用を前提とした撤去であれば、補助対象になることも少なくありません。
ただし、以下のような条件が設けられていることが一般的です。
- 事前申請が必要(工事後の申請は不可の場合が多い)
- 指定業者の利用や、複数社見積もりの提出が必要
- 賃貸物件では利用できないケースがある
- 予算上限に達すると受付終了となることがある
残置物撤去を検討している段階で、お住まいの市区町村の公式サイトや窓口に確認しておくことをおすすめします。
13. よくある質問
- 相場より高い見積もりが出た場合、どうすればいいですか?
-
まずは見積書の内訳を確認し、なぜその金額になっているかを業者に質問してください。思い出の品の仕分け作業や特殊清掃が含まれている場合は、通常の相場より高くなるのが自然です。内容に納得できない場合は、他社にも相見積もりを依頼しましょう。
- 立ち会いができないのですが、対応してもらえますか?
-
業者によっては、鍵の預かりや写真報告など、非対面での対応が可能です。契約前に対応可否と、トラブル防止のための書面でのやり取りを確認しておきましょう。
- 残置物撤去の費用は誰が払うのですか?
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賃貸物件の場合、原則として残置物を残した入居者(またはその相続人)が負担しますが、契約内容によっては貸主側が対応するケースもあります。相続や売却に伴う場合は、相続人や売主が負担するのが一般的ですが、契約条件によって変わることもあるため、契約書の内容を確認することが大切です。
14. まとめ
残置物撤去の費用相場は、賃貸退去・相続空き家・特殊清掃併用のどのケースに当てはまるかによって大きく変わります。一律の相場表だけで判断するのではなく、ご自身の状況に近い目安と、内訳が明確な見積もりを比較することが、納得のいく依頼につながります。
また、金額だけでなく、思い出の品への配慮や、悪徳業者を避けるための確認ポイントも、後悔しない片付けのために欠かせない要素です。
残置物撤去でお困りの方は、ぜひ当社マインドカンパニーにご相談ください。費用はもちろんのこと、ご依頼内容や希望のスケジュールにできる限り沿った、丁寧なサービスをご提供いたします。
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